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Vol.001 / 2026.05.23 (Sat) / No.0247
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QUESTIONER · PROFILE/問う人のプロフィール

伊純 明寛

バイオマテリアル研究員

 製薬企業にて再生医療向けのDDS(ドラッグ・デリバリー・システム)素材の研究に携わり、移植細胞を体内環境のストレスから守る「細胞保護用足場素材」の開発に取り組んでた。  その後、創薬企業での製剤開発を経験し、薬効成分が体内で正しく機能するための製剤技術と、安全な機能性素材を設計するバイオマテリアル開発の知見が深く重なることを実感。  現在は、医療・製薬分野で培った素材開発の知見を、建築・アパレル・食品・工業といった多様な領域へと展開する研究に取り組んでいる。  天然由来の生分解性素材への社会的な関心が高まるなかで、「バイオマテリアル」という概念自体の定義も揺れ動き、広がりを見せている。  バイオマテリアルという定義の変遷そのものを一つの問いとして受け止めながら、素材の可能性をより広い文脈で追究していきたい。

INTERESTS · 関心
  • 製薬企業における再生医療用DDS素材研究。シャーレ内の細胞を患部に移植するだけでは、培地と血液との性質の差がショックとなり死滅してしまうため、移植細胞を保護して移植後の生存率を高めるための細胞保護用足場素材としてのバイオマテリアルを開発してきた。
  • 創薬企業における製剤開発。創薬とは薬効成分候補を探索する製薬分野であるが、そのまま薬効成分を体内に投与するだけでは狙った効果を発揮できない。そもそも水に溶けなかったり、胃液で失活してしまったり、血中に吸収されてもすぐに分解されてしまったりするためである。これらの原因を解決するために製剤技術という分野があり、薬効成分を溶けるようにしたり、胃液から保護したり、血中吸収後も血中濃度が適したバランスとなるよう工夫を凝らす技術である。それらを体内に投与しても問題ない成分で安全性に配慮しながら機能性素材を開発しなければならないため、バイオマテリアルの開発ノウハウと通じる部分が多分にあったと感じる。
  • 製薬・医療分野における医用素材から多分野における用途展開を目指したバイオマテリアル開発の研究を現在は行っている。従来は医用素材として発明されたバイオマテリアルという用語ではあるが、建築やアパレル、食品、軽重工業といった多様な分野で天然由来成分を使用した安全な生分解性素材が求められており、バイオマテリアルという定義も年々広くなってきている。未だその定義を巡っては侃々諤々の議論が繰り広げられている状況ではあるが、昨今の社会課題に対する解決策としての天然由来素材への期待の広がりとともに、その定義はより広く拡大されていくだろう。そのような中で定義の変遷とともにバイオマテリアルの可能性を更に追及していきたいと思う。
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