対話と言葉と問い
言葉はいつのまにか上滑りし、対話はうまく続かなくなった。話すこと、聴くこと、そして「問う」こと自体を問い直す——少し抽象的だけど、いま最も切実なメタな問いの集まり。
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対話はなぜ困難になり、どう再生されるか
揺れることが、場を開く
音楽や、声、風、波と言ったエネルギーを意識するようになりました。 特には、対話の場はエネルギーの循環によって成り立ち、自然とその場に巻き込まれたり、押し戻されたり、大きくなったり小さくなったりと波に揺られる感覚を味わえると、さらによい対話になると思うのです。 意識ある人たちの集ま…
わたしたちはなぜ学び合えないのか
・あらゆる社会課題の源にあるのは、私たちが学び合えないことにあるのではないだろうか。 ・自分の意見が確立してしまった強い主体は、自分の考えが正しいと思い込む。場合によっては啓蒙的に無意識に考えを押し付けてしまう。他の意見をもつ他者の声は、受け止めるふりをしつつ受け流し、他者の存在…
弱い他者が、差異そのものを運んでくる
弱い紐帯とは、社会学者のM.グラノヴェッターが提唱した説で、転職に成功したホワイトカラーのインタビュー調査から、導き出された説で、新しく高い価値を持つ情報は、自分の家族や親友、職場の仲間など社会的つながりが強い人々(強い紐帯)よりも、知り合いの知り合い、ちょっとした知り合いなど社…
「わからない」聴き手だけが、本当の言葉を引き出せる
どんな質問をされても、いつも感情を露にせず、穏やかに答えるアスリートがいる。でも、そうできるのは、彼が「答えるトレーニング」をしてきているからかもしれないと、私は思う。おそらく別の人に対してはもっと躍動感溢れる表情で、今日の勝利の興奮を語るだろう。 聴き手が変わることで、引き出さ…
人は、存在として出会われることを待っている
ビジネスの場でも、地域でも、よりよくその人と出会えている感覚とまったくその人に触れられていない感覚との両方を体験してきた。人とよりよく出会うために、出会いがしらのその場面に何があることが、人を人に出会わせてくれるのだろうさ…
沈黙は、社会の最も正直な言葉である
SNSや動画配信サイトの急速な普及により一人一人の個人がメディアを持ち情報発信ができる時代となった。そうやって大手メディアにとって不都合な事実も社会の目に晒されて「社会の本当の姿」が現れたような気がするが果たしてそうなのだろうか? 発信される情報の多くは常に視覚的な文字か音声とし…
人は、崩れるために他者を必要とする
人は何を求めて人と関係するのだろうか。承認であればAIが行なってくれる時代に、人が承認とは別で求めてきた人との関係を紐解きたい。…
言葉を削るほど、場は動き出す
ファシリテーターは、場に対してできるだけ、関与するのを避け、最低限の言葉の介入や問いかけのみで関わるのが求められる。中立的な立場であろうとするとき、そこにファシリテーターの考えや思惑は邪魔になるだろう。ファシリテーターは、言葉を使ってそのプロセスを管理するのであるが、できるだけ、…
うっすらとした理解が、対話を生きたものにする
昨晩の読書会では、誤った理解をした方に、正しいであろう理解の説明を試みた 具体的には、闘技民主主義が想定する、(シュミット的な“敵”ではない)“対抗者”が、デリダ的「同一性/差異」による構成的外部であることは、素朴なライバル関係のようなそれとは異なる点についての修正。 人は誰しも…
「対話が足りない」という言葉が、対話を殺している
仕事の中での課題として「組織内での対話が足りない」とか「もっと対話することで良くなる」といった話が出ていますが、そこで語られている「対話」というものが、一体何を指しているのかが分からないなと思っていました。いわゆる雑談やコミュニケーションと呼ばれるものも入っている場合もあれば、仕…
聴くことは、答えた瞬間に終わる
我々は人の話をちゃんと聴いていない。聞きながら連想ゲームのように自分の体験を思い出したり、話を解釈して自分の意見を形成したりしている。人が話をするときその奥には聴いて欲しい本当のニーズがあるという前提に立つと、表面に現れたストーリーを追うだけでは不十分で、語り手に限りなく近づく必…
わかりあえないから、対話は続く
国内外問わず、交流と対話は必要だ。それは分かりあうことへの第一歩である。実際に、お互いを理解したと思えるような一瞬もあるだろう。だが何度も対話しても、どれだけ深く共感を覚えても、完全に分かりあうことはない。たとえどれだけわかり合ったとしても、果たしてそれが何になるのか、どんな役に…
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言葉はなぜ形骸化し、どう再定義されるか
頭の中の言葉は、書かれるまで存在しない
とにかく、書くのが苦手です。いろいろ考えて、頭の中ではつながっているものが言葉にすると、なんかちょっと違う。すらすらと書き言葉にできる人は、どんな頭の中になっているんだろうと思う。とにかく書くことでできるようになるということは言われたりする。仕事で提案書書いたり、企画書をつくった…
「よい問いを立てろ」という危うい言葉
私がこのテーマを書いたのは、生成AIの登場によって「問いを立てることが重要だ」という言葉が急速に広まる一方で、その言葉自体があまりにも軽く、便利な標語として消費されているように感じたからである。もちろん、AI時代において問いを立てる力が重要であることは否定できない。しかし、本当に…
声に出した瞬間、青さが変わる
きちんとしたネット環境があって、AIが発達していれば、無人島にいても孤独を感じないのか? いや、どんなに目と耳が幸せを感じていても、自分に口があることを幸せだと思える環境でないと、自分がこの世に存在することを真に幸福に思うことは難しいと思う。 口に出すというのは、伝えることだけで…
なぜ人は「言っていること」と「やっていること」が食い違うのか?
人は「言っていること(言葉)」と「やっていること(行動)」が食い違うことが、しばしばあるように思います。 たとえば、次のような場面です。 子育ての場面: 子どもが何か「悪いこと」をしたとき、親は「怒っていないから正直に言ってごらん」と語りかけます。しかし、その表情や語気はすでに強…
良い物語は届かない——受け手が迎えに来るまで
物語とは、人の経験や記憶に意味づけしたもの。人は誰かの気づきや学びから、より人生を豊かに楽しむヒントを得られると感じている。だからこそ、その物語をともに築き残していくために、どのように物語をつくるとよいのか?どのように届けるとよいのか?という観点から考えて欲しい。…
規範が整う前に、渡り方を共に発明しなければならない
デジタルツールはどんどん進化し、AIが前提の仕事になっていく。当然ながら、倫理も規範も変わっていく。 エドガー・シャインの研究でもわかるように、規範が変化するには非常に時間がかかるため、そのズレにおいての軋轢や考え方の違い、文化の違いが爆発的に増えていく。そんな時に何が必要なのか…
体験を言葉にした瞬間、その体験は別の何かになる
私は長く文章を書き、日々の体験や違和感を記事にしてきました。 本を読む。映画を見る。新しいサービスを試す。どこかへ行く。誰かと会う。 そのたびに、自然と「これは記事になるか」「どう書けるか」と考えるようになりました。 アウトプットすることで、体験が深まったり、記憶に残り自分の考え…
知ることは、世界を狭める
人間や世界は元々複雑で多様である。ヒトによる理解とは、ノイズできるだけそぎ落として、統計的に最も起こりやすい推論を行う働きである。昨今のテクノロジーの進歩やグローバル化の進展は、ヒトが容易に理解する事が益々困難になっている一方で、AIの実用化によって、圧縮した答えが容易に得られる…
共創という言葉が生まれた日、共創はすでに終わっていた
Co-Creationという言葉自体は2000年ごろに生まれたと言われる。しかし、「共創」という日本語にした時、この言葉から想起される活動は、もっと昔からあったようにも思う。なぜ「共創」という言葉が突然生まれたのだろうか。…
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メディアと言論はなぜ歪むのか
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問いと探究にはどんな意味があるか
未来は予測するものではなく、異なる時間地平と宇宙論を持つ人々が会話し続けること
AIの急速な普及と地政学リスクの高まりをはじめとし、企業・団体を取り巻く環境の不確実性はかつてなく増している。従来の延長線上にある戦略や既存の勝ちパターンは通用しにくい。AI前提の社会経済では、異なるスキルや背景、考え方を持つ人々が互いに「未来をどう考えどうつくるか」を会話し、社…
問いを立てる者は、問いに立てられている
「なぜ問いを立てるのか」という問いは、問いそのものを対象化するメタ問い。この問いには、技術的・哲学的にいくつかの特徴があると思う。第一に、問いは再帰的構造を持つ。「なぜ問うのか」と問えば、その問い自体も「なぜ立てられたのか」と再び問えるため、論理的には無限後退に陥る。これはコンピ…
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情報はどう伝達され、誰が発信するか
情報が平等になった世界で、場所だけが不平等であり続ける
昔のファッションデザイナーは海外のトレンドを追い、手に入らない情報がクリエイティブの優位性だったが、インターネットの爆発的な発展により情報取得の難易度がさがり、優位性は低くなったように感じている。AI時代の到来も情報や思考の格差の距離を短くした。 かわりにローカルのアイデンティテ…
発信を禁じた者が、届かない支援をつくり出した
聴覚障害者が被っている情報格差の不利益を解消するための制度・技術に「要約筆記」がある。しかし、要約筆記の存在は聴覚障害者にあまり知られておらず、利用プロセスにも面倒な点があるため、利用者は増えていないという現状だ。 要約筆記者の養成にはおよそ40週(80時間)の定められた講義を受…